診療のご案内 生活習慣病

様々な疾患を引き起こす現代病

生活習慣病は1つの病気ではなく、遺伝的要因を基に、偏食・運動不足・ストレス・喫煙など普段の生活習慣が様々な疾患を引き起こす病気です。どれも自覚症状が無い場合が多く、別名「サイレントキラー」と呼ばれています。

特に「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」「肥満」は「死の四重奏」と呼ばれ、これらが重複すると心筋梗塞・脳梗塞など重篤な疾患に陥る危険性が増加します。

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特に危険な生活習慣病の症状

高血圧 多くの場合、遺伝的要素に塩分の過剰摂取や肥満、ストレスなどの環境因子が影響して発症します。健康な人の血圧は140/90mmHg未満で、一般に140/90mmHgを超えると高血圧と診断されます。高血圧はほとんど症状を伴いませんが、放っておくと血管や心臓に負担がかかり動脈硬化性疾患や不整脈、心不全の原因となります。血圧を下げるためには、まず塩分摂取を控え、肥満を解消することが大切ですが、高血圧が引き起こす疾患を予防するためには降圧剤を内服してしっかり血圧を下げることが重要です。
糖尿病 近年、我が国では食事の欧米化、車社会の到来により糖尿病患者が増加しています。つまり、糖質や脂質の摂取増加と運動不足が原因です。病状が進行すると多飲多尿(のどが乾くためたくさん水を飲み、おしっこがよく出る状態)や体重減少などの症状が出ますが、初期には自覚症状はありません。しかし、糖尿病を放置すると血管がもろくなり、心臓や脳のみならず眼の網膜や腎臓など全身の血管が障害を受けてしまいます。まずは間食をやめて運動することが大切ですが、最近は「インクレチン関連薬」や「SGLT2阻害薬」など新しい糖尿病治療薬が次々と登場しています。
脂質異常症(高脂血症) 脂質異常症とは、悪玉といわれるLDLコレステロールあるいは中性脂肪が高いか、善玉であるHDLコレステロールが低い状態です。これらの異常を放っておくと、血管の壁に脂が沈着し、プラークと呼ばれる黄色い塊ができ、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。糖尿病と同様、遺伝的因子に食生活の乱れや運動不足が影響しています。以前は効果の乏しい治療薬しかありませんでしたが、最近は「スタチン」とよばれる強力にLDLコレステロールを下げる治療薬があります。
肥満 メタボリックシンドローム 肥満には、皮膚のすぐ下に脂肪がたまる「皮下脂肪型肥満」と内臓のまわりに脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」があり、内臓脂肪型肥満は皮下脂肪型肥満と違って、外見から分かりにくく、目安としてウエスト径が男性で85cm以上、女性で90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満が疑われます。

特に内臓脂肪型の場合、高血圧や脂質異常症など様々な病気を引き起こすことが多く、内臓脂肪型肥満 に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以 上をあわせもった状態を、メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。内臓脂肪が過剰にたまると、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を併発しやすくなるのです。しかも、”ちょっと高め”でまだ病気とは診断されない予備群でも、併発することで動脈硬化が急速に進行します。そのため、的確な指導のもとに行う運動療法を早めに始めることが重要です。